給水 / 水道のノウハウ

給水ポンプの選定

給水量、流込・吸込条件、全揚程について扱う記事です。

受水槽のポンプを設置しないといけないんやけど

適正な能力ってどうやって決めるん?

加圧給水方式で受水槽より給水するポンプの能力選定もわからないので計算方法を知りたい。といった設計初心者にお役立ちになるかと思います。

ポンプ屋さんで見積するとざっくりとした計算で能力選定されます。
今回の計算を自力で行うことでポンプ口径ダウンによるポンプ能力を下げることで結果的に予算削減になるというメリットがあります


目次

計算手順はYoutube動画でご説明します

ひろし
下記に文章と画像でも記載しておりますので、是非ご覧ください

 

加圧給水ポンプの選定手順

  1. 瞬時最大給水量(同時使用水量)を求める
  2. 全揚程を求める
  3. 性能成績書からポンプを選定する

1.瞬時最大給水量(同時使用水量)を求める

  1. 水使用時間率・器具給水単位  → 精度が高いが計算方法が複雑
  2. 新給水負荷単位        → 精度が高いが住宅・事務所のみ対応
  3. 器具利用からの予測      → 小規模のみ。設計者判断
  4. 器具給水負荷単位       → 従来通り。口径が大きくなる傾向あり
  5. 居住人数・戸数        → 集合住宅用。精度もそこそこ
  6. 計画一日使用水量からの換算  → 一定以上の事務所ビルなど

水使用時間率・器具給水単位より算定

後日、まとめます

新給水負荷単位より算定

後日、まとめます

器具利用からの予測

後日、まとめます

器具給水負荷単位より算定

直結給水と同じ考え方になります。

建物概要       :デイサービス(私室用)
※公衆用は不特定多数の人が使用する建物:駅ビルなど

給水負荷単位数:負荷単位数の設定がある器具を各器具ごとに集計する
下記は作成例です。
元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

給水用具 1台あたり負荷単位数 戸数 負荷単位数
大便タンク 3 10 30
洗面台 1 6 6
手洗い器 0.5 10 5
流し台 3 2 6
掃除用流し 3 2 6
シャワー 2 2 4
負荷単位数 合計 57

 

瞬時最大給水量(同時使用水量):下記の表の一番左側の数字(負荷単位)を参照します。
このときに現場の大便の割合がフラッシュバルブ率が高いか、ロータンク率が高いかで、全然数値が違う。
ロータンクの方が圧倒的に有利な数字になります。

当現場は、負荷単位数が57でフラッシュバルブが多いとして、199.65ℓ/minとなる。

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

居住人数・戸数より算定

・居住人数

居住人数から求める場合は下記の公式を使います

ポイント

瞬時最大給水量(Q:ℓ/min) = 26 P(人数) ^ 0.36・・・1〜30人

瞬時最大給水量(Q:ℓ/min) = 15.2 P(人数) ^ 0.51・・・31人以上

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

参考例

居住人数40人のマンションとして

15.2 × 40 ^ 0.51 =99.7ℓ/min

となります

・戸数

戸数から求める場合は下記の公式を使います

ポイント

瞬時最大給水量(Q:ℓ/min) = 42 N(戸数) ^ 0.33・・・10戸未満

瞬時最大給水量(Q:ℓ/min) = 19 P(戸数) ^ 0.67・・・10戸以上600戸未満

瞬時最大給水量(Q:ℓ/min) = 2.8 P(戸数) ^ 0.33・・・600戸以上

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

参考例

部屋数80戸のマンションとして

19 × 80 ^ 0.67 =357.9ℓ/min

となります

計画一日使用水量より換算

受水槽の有効容量の計算に使用する数値である計画一日使用水量を

時間平均予想給水量 → 瞬時最大予想給水量に

換算して使用します。元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

ここでは仮に工場として

男子50ℓ × 座り仕事0.3人/㎡ × 1,000㎡ = 15,000ℓ

とします。

ポイント

時間平均予想給水量(Qh:ℓ/h) =

1日当たりの予想給水量(Qd:ℓ/d)÷ 1日平均使用時間

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

先ほどの数値を利用して計算してみます。

15,000ℓ ÷ (操業時間(8)+ 1 ) = 1,667ℓ/h

ポイント

瞬時最大予想給水量(Qp:ℓ/min) =

(3〜4) × 時間平均予想給水量(Qh:ℓ/h)÷ 60

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

続けて計算してみます。

1,667ℓ/h × 3 ÷ 60 = 83.4ℓ/min

と瞬時最大予想給水量が計算できます。

2.全揚程を求める

瞬時最大給水量が求められたら、次に配管の水理計算が必要になります。

そのため給水ポンプの吸込み箇所によって計算方法が若干変わりますので注意が必要です。

ところで全揚程って何かと疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますので

ざっくり答えさせていただくと、給水(排水問わず)ポンプから末端給水栓まで給水するのに

必要な水圧を高さで表したものと解釈すると理解しやすいと思います。

 

・流込方式

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

 

地上に受水槽が設置されている場合は主にこちらの流込方式になると思います。

P1:受水槽水位と給水ユニットの高低差・・・実寸から

P2:給水ユニット吸込側の損失水頭・・・水理計算が必要

P3:給水ユニット吐出側の損失水頭・・・水理計算が必要

P4:末端給水栓の最小作動圧   ・・・給水栓の最小作動圧を調べる

P5:給水ユニットから末端給水栓の高さ・・・実寸から

P6:給水ユニットの吐出圧力   ・・・計算に関係なし

全揚程:P2+P3+P4+P5-P1

(P1の高さは降りているので全揚程に加算しなくてもよい)

 

・吸上方式元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

地下式受水槽が設置されている場合は主にこちらの吸上方式になると思います。

P1:受水槽水位と給水ユニットの高低差・・・実寸から

P2:給水ユニット吸込側の損失水頭・・・水理計算が必要

P3:給水ユニット吐出側の損失水頭・・・水理計算が必要

P4:末端給水栓の最小作動圧   ・・・給水栓の最小作動圧を調べる

P5:給水ユニットから末端給水栓の高さ・・・実寸から

P6:給水ユニットの吐出圧力   ・・・計算に関係なし

全揚程:P1+P2+P3+P4+P5

(P1の高さは上がっているので全揚程に加算する必要がある)

 

・高低差について

P1・P5については実寸(計画高さ)で簡単に求められます。

図のように

受水槽水位~給水ポンプ吸込み口高さでP1

給水ポンプ吐出し口高さ~末端給水栓の設置高でP5

になります。元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

・水理計算について

P2・P3については水理計算から求めます。

こちらは現在(ウエストン公式・へーゼンウイリアムス公式についての)記事がないため

下記の動画を参考にしてください。

動画詳細欄にてウエストン公式・へーゼンウイリアムス公式が計算できる無料のExcelファイルがダウンロードできるようにしています。

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

ダウンロードした表をExcelの行コピーを使って区間ごと

(ア~イとかイ~ウとか)に計算します。

瞬時最大給水量(同時使用水量)が変わる部分、口径が変わる部分で測点をとります。

各区間の損失水頭からP2・P3を求めることができます。

計算手順に関してはこちらの記事も参考にしてください

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元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。
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3.性能成績書からポンプを選定する

瞬時最大給水量と全揚程が算出できれば、ポンプのカタログを取り寄せてください。

面倒な場合は取引されているポンプ屋さんでも結構かと思いますので

瞬時最大給水量と全揚程を伝えて性能成績書をもらってください。

下記の図のように

縦軸に全揚程(m)表記、横軸に吐出量(ℓもしくは ㎥/min)表記ですので

単位に注意して交点の確認を行って下さい。

下図の左側のように右肩下がりの曲線よりも内側に入っていたら適正な能力です。(下図はおおげさですが)

右側の場合はもしかしたら、一つ上の能力が必要になるかもしれません。

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

※例えば全揚程に余裕がある場合なら、性能成績書の計測項目でポンプ効率が低くならない

範囲内にある場合は問題ないかもしれません。

(下図は雨水ポンプより引用)

元記事の図表。計算条件と説明は前後の本文をご確認ください。

おわりに

以上が給水ポンプの選定方法です。是非参考にしていただけると嬉しいです。